「大人のキッザニア」事件で再確認した企業アイデンディティの大切さ

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こんにちは、谷口です。

タイトル見てわかる人、あなたは相当に頭のキレる人だとお察しします。

もし今この段階でオチを予想できるとしたら、あなたは今すぐにでも起業すべきだと思いますよ(笑)

と言う前置きは置いておいて、早速本題に行きましょう。

事の始まり

そもそも「キッザニア」とは

多分まだなんのこっちゃわからん人がほとんどだと思いますので、一個ずつ説明しますね。

そもそもの話ですが、あなたは「キッザニア」をご存知でしょうか?

キッザニアはメキシコ発祥のフランチャイズテーマパークで、そのコンセプトは

こどもが主役の街

です。

いいですか、

こどもが主役の街」

ですよ。

(大事なことなので2回言いました!)

ちなみに、僕は街というより国だと思ってます。

なぜなら、入場ゲートは「空港」になっていて、キッザニアに「入国」するところから始まるからです。

中では様々な仕事を通じて仮想の経済活動が行われており、「キッゾ」というキッザニア内でしか使えない通貨まで発行されています。

(しかもそれをキッザニア内にある銀行に預けると、利息までつくという芸の細かさです。)

こどもは様々なパビリオンで仕事をすることで、仕事に応じた報酬(給料)をキッゾで受け取ることができ、それを使って買い物などもできます。

いわゆる実社会で行われている経済活動の一部を疑似体験できるという、非常に尖ったコンセプトのテーマパークです。

こうしたコンセプトをキッザニアは、「エデュケーション」と「エンターテインメント」を組み合わせ、「エデュテインメント」と定義しています。

ちなみにこのキッザニア、おとなにとってはヒジョーにつまらない施設です。

なぜならこどもが主役なので、おとなはその主役たちが楽しそうに仕事をしているのを見ているか、写真を撮るくらいしかやることが無いんです。

もし僕にこどもが出来て、キッザニア行くか舞浜に行くかの二択になったら、僕は迷わず舞浜を選びます。

だってその方が自分も楽しめるからw

衝撃の発表

そんなキッザニアが最近発表して話題になっているのがこちら

「大人のキッザニア」

キッザニアの職業・社会体験を通して「こどもの生きる力を育む」というコンセプトをより沢山の方々にご理解いただく為、このたび大人もこどもと同様の体験が出来る機会を設けさせていただきました。普段はこども同伴でなければ入場できないキッザニアに大人だけで入場できるスペシャルデー。こどもの頃に戻って「夢」だった仕事に挑戦してみませんか。

というのが趣旨だそうだけど、僕はこれを見て滅茶苦茶ショックを受けました。

「こどもが主役の街」じゃなかったん?
「エデュテインメント」はどこいったん?

と。

世間的には

っていうような肯定的な意見も多いようですが、僕はキッザニアがもはやキッザニアではなくなった瞬間を見た気がして残念でした。

というか、そもそも

おとなに対して職業体験って必要か?
体験したきゃ実社会でバイトでもなんでも良いから、実際にその仕事就いたらいいやん!

って思うわけですよ。

ねっ、あなたもそう思いません?

僕がショックを受けた理由

そもそも、自分が勤めているわけでもない会社の出来事に、なぜ僕がここまでショックを受けたのか?

身内が勤めている会社だからというのもありますが、一番は僕の中にキッザニアに対する尊敬の念があったからに他なりません。

キッザニアは日本に上陸してからこれまでの10年以上「こどものモノであり続けること」を貫いてきました。

そして、それが企業戦略としても非常に斬新かつ素晴らしいものであったことは誰もが認めるところだと思います。

実際そのコンセプトや戦略が見事にハマったからこそ、多くのファンを生み、追随する同業態の競合を生み出すことになった訳です。

テーマパークという市場に、新たなジャンルを築いたパイオニアですよね。

そんな会社がなぜ!?

って僕は素直に思ったわけですよ、えぇえぇ。

何か特別な理由でもあったんじゃねぇの?

しかし、なぜここにきてそれを急に覆す必要があったのでしょうか?

1つの要因として考えられたのは、各メディアでも大々的に報道されたKDDIによる買収です。

しかし、「大人のキッザニア」開催が発表されたタイミングを考えると、企画自体は買収が確定する前から動かされていると考えてまず間違いありません。

ということは、単純に目先の利益に目がくらんだとしか考えられない訳です。

そりゃあ子どもが楽しく仕事しているのを見てる大人からすれば、それを自分も体験できるとなりゃあ、少なからず「やってみたい」とは思うでしょう。

回数限定の開催でも、利益が出せるということは容易に想像できます。

でもね、自分自身が経営者という立場になった今(まだまだ駆け出しだけど)、

ちーがーうーだーろー!

って僕は強く想うわけですよ。

企業のアイデンティティはそんなに軽いものであって良いはずがない!

繰り返しになりますが、目先の利益は取れるでしょう。

実際、開催の告知早々にこれだけ話題になっているわけですから。

しかし、この企画で取れる利益は、これまで10年以上守り続けてきたアイデンティティを自ら壊してまで得なければならないほど大きな物だったかというと、僕は決してそうではないと思う訳です。

僕が大きく影響を受けた書籍の1つにこんなものがあります。

この書籍には、企業が絶対に変えてはならないものとして「基本理念」というものが定義されています。

「基本理念」とは、「意思決定に迷った時の拠り所」ともなる、その企業の根本的な「価値観」のことを指します。

企業は、その構成員である社員の入れ替わりや時代の潮流が変わる中でも、常に利益を生み出し続けなければなりません。

(それが出来なきゃ潰れる訳です。)

だから、描くビジョンや果たすべきミッションはそれらに合わせて変化して然るべしなんです。

しかし、そうした中でもその企業がその企業で在り続ける(アイデンティティを持ち続ける)ために、普遍的な存在としてその企業の根幹となるのが「基本理念」。

僕のなでは「キッザニア」における「基本理念」が「こどもが主役の街」であり「エデュテインメント」であると思っていた訳です。

そんな大切な「基本理念」をあっさり変えてしまって良いはずがないんです!

もうちょい細かいことを言うと…

個人的に、今回の事が間接的にがすごく影響するだろうなぁと思ってるのは「採用」です。

一昔前までは、待遇や福利厚生面が充実していて倒産リスクの低い会社というのが学生に人気の企業だったわけですが、ここ数年で企業を選ぶ学生の感覚は間違い無く変わってきていると僕は感じます。

それは例えば価値観だったり、雰囲気だったり、やり方ではなく「あり方」と呼ばれるような部分になってきているわけです。

「あり方」に価値を感じて入社する人がこれから増えていくとすると、その「あり方」を簡単に変えちゃう会社は本当に採用が難しくなるし、採用できたとしても離職率めっちゃ高くなると思うんですよね。

しかも、キッザニアの商品はそのコンテンツではなくて、それを担ってる「人」=社員だから、そこが弱体化するってことは事業や会社全体の弱体化に直結するんです。

ついでだからもっと言わせてもらうとw

個人的には、

そもそもなぜこれが社内で企画として通ったのか

ということが不思議でならないんです。

人が商品の会社って社員教育に力を入れるはずするから、理念や価値観も末端の社員まで浸透しているのが当たり前なんです。

で、それが徹底されていれば、自らの理念を否定している今回のような企画は上がることすらないはずだし、上がったとしても瞬殺されると思うんですよ。

でも実際にこんな企画が経営陣までOKが出て行われているってことは、結局トップから末端まで理念や価値観が浸透していないし、そのための教育やらなんやらもナーナーなんだろうなぁって僕レベルでも分かっちゃうんです。

まとめ

ということで、ダラダラと色々想うところを書き連ねてきたわけですが、もし今後もこうしたことが続くならキッザニアは5年と保たないだろうと思います。

だってさ、そんなブレブレの「エデュテインメント」に自分の子どもは絶対に行かせたくないって思いません?

(少なくとこ僕は絶対に行かせませんし、お金を払う価値を感じません。)

これまでキッザニアが日本の社会に、そして教育に多大な影響を及ぼしたことは間違いありませんし、今でも多くの人の雇用を生み出していることは素晴らしいことだと思ってます。

でもそれと同時に、自分は

こんな馬鹿げたことは絶対にしちゃいけないし、しない!

と誓った出来事でした。

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